TOP > コラム > 歴史 > リンゴ風呂で有名だった万字温泉

リンゴ風呂で有名だった万字温泉


 万字温泉は、栗沢町万字の町はずれ(万字二見町)に位置していた温泉旅館です。道道38号線は冬季閉鎖になりますが、閉鎖ゲートの直前にありました。木造1階建て。泉温は約16度、単純硫化水素泉・弱アルカリ性低張性冷鉱泉で、効能は神経痛や関節痛、筋肉痛、リウマチなど。ポンネベツ川上流から冷鉱泉をひいて、42度に加熱循環。

 ここの名物は何と言っても湯船にリンゴがたくさん浮かぶ「リンゴ風呂」。リンゴの名産地である毛陽・万字ならではの趣向で、1984年ごろはじめたといいます。しかし、中には湯につかりながらリンゴをむしゃむしゃ食べてしまう人がいたようで、リンゴを割ったり、食べたり、投げたりしないように注意書きが設置されていました。

 もともとここは炭鉱が栄えていたころ、炭鉱夫達の湯治場として使われていた建物を温泉施設として再活用したというものです。大正時代には、わいていた鉱泉を温めて利用されていたようです。当時のもの、炭鉱道具の名残が館内のあちらこちらに見ることができました。

 かつての営業時間は火曜日を除く毎日9:00~18:00、宿泊する場合の入浴時間は24時間利用できました(清掃時間を除く)。料金は大人500円、小学生250円、幼児100円。大広間(休憩所)があり、ほかに有料で個室小上がりがありました。

 食事も提供しており、鴨ラーメンや鴨鍋など、鴨肉を使った料理を味わうことができました。また、宿泊することもでき、和室6室を備えていました。宿泊料金は税込5775円でした。

 しかし、2006年4月ごろに突然休業。以来、草ぼうぼう、窓が割れ、積雪の重みで屋根崩落が起きていました。結局復活することなく、2009年9月には、廃墟と化していた家屋が完全に取り壊され、跡形もなくなりました。惜しむ声があちらこちらで聞かれます。
ページの先頭へ